右腕が横に上がらない・力が入らない施術事例

50代　姫路市在住　男性

階段で足を滑らせた時に、とっさに右手で手すりを持った状態で転倒した後、「右腕が上がらない・腕を横に上げられない」と姫路市の鍼灸整骨院一心堂にお越しになられました。

 

右腕が横に上らないのは痛さではなく、力が入らないとのこと。

右腕を自分では動かせないが、左手で支えて動かすと抵抗も痛さもなく上がる状態でした。

 

 

【検査】

（１）ドロップアームテストで肩腱板損傷があるかの確認

 

右腕を自力では真横まで上げられないが、施術者が右腕を真横に９０°まで上げた後、支えを無くすと、腕をゆっくり降ろすことは出来るが、真横のまま維持は出来ない。

ドロップアームテスト陽性　　腱板損傷の疑いあり

 

（２）肋椎関節機能異常があるかどうかの確認

 

次に、第1肋椎関節から順に緩んだ関節があるかチェックし、固定しながら右腕を上げてもらった所、特に第３肋椎関節を固定した状態であれば、自力で右腕が上がる事がわかりました。

 

仮に腱板損傷が原因の場合、腱板損傷自体は小さい部分断裂以外、自然治癒力で修復しない病院の領域です。

この事をお伝えした上で、

今回の右腕が上がらない・真横にできないという症状に対して、姫路市の鍼灸整骨院一心堂では保存療法として、まず、肋椎関節機能異常を改善させる事を目的にする施術方法を提案しました。

特に第1～3肋椎関節の深部の機能異常に対してSCJM法を行い、ある程度まで右腕を上げる・真横に上げる事にゴールを設定しました。

※ドロップアームテストとは

施術者が支えて、右腕を真横に上げた状態（肩関節を９０°にした状態）から、支えを外した時、腕をゆっくり降ろすことが出来ないようであれば、腱板の損傷や断裂を疑います。

 

※腱板損傷とは

肩甲骨と上腕骨を繋ぐ棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つの筋腱の断裂や損傷です。

症状の例として、
夜寝ている時に痛くて目が覚める
自力で腕を上げる事が出来なく、支えがないと上げた腕が落ちる事があります。

背骨と右の肋骨を繋ぐ関節である、右の肋椎関節の機能異常に対して施術を行います。

今回は、特に上から１番目の第１肋椎関節と第３肋椎関節の深部に異常がみられました。

肋椎関節の深部に緩みがあると、腕に力が入らないと表現される方が多いのです。

SJM法で、第１.第３肋椎関節の深部を施術した直後は、ある程度まで自力で腕が上がりますが、肋椎関節の深部の軟部組織損傷がひどく、今回の症状では、自分の腕の重みなどでも関節が動いてしまうので安静保持が難しい事をご説明しました。

２～３回目の施術後も、第１・３肋椎関節の緩み・損傷がひどい為、自力で右腕を横に上げる際、容易に関節が動き過ぎる為、腕を支えるだけの固定が出来ず改善の度合いが実感できづらい状態でした。

痛みも少し軽減したのみですが、これは関節が動き過ぎる事により炎症が起こっているなどの要因があり、施術後の安静と、出来るだけ右腕を真横にした状態で腕を机などに置き、腕の重みで肋椎関節が動くのを防ぐようお願いしました。

５回目の施術でやや関節の緩みが少なくなり固定が出来てきたので、右腕の挙上制限が減少してきました。

以降は、週１回程度で、約２ヶ月の通院で、日常生活で右腕の症状が気にならない程度まで改善されました。